続き

寒かった、でも雪は無かった。せっかくシナリオにも「雪の中を」とか付け加えたのにぃ!
しかしまあ、雪が降るのを待ってる時間なんかない。
ってか、もう3月だ、どう見ても、この先降雪があるとは思えない。
撮影は進む。考えなきゃいけないことは山ほどある。
ワタシ自身、実質的に初めての一般映画だったから、勝手が違うことも多くて戸惑ったり悩んだり。
そんな中、メシ喰ってるときだったか、照明の江川さんと話してる最中にこんなことを言った。
「ラスト3日だけでいいから、いきなりドカ雪降ってくれないもんですかね?」
「それはもう、監督が祈るしかないでしょう」
「じゃあ祈ります、だから江川さんも一緒に祈ってよ!」

祈りました。
1日休みを入れて、合計12日間の撮影。
その終盤のいつだったか、江川さんがワタシの横に来て、こそっと耳打ちしてくれた。
「なんか振るみたいですよ、雪」
「ま、マジですか!?」

で、続く。